ブリンディジ港 風景篇66(10枚)
文豪・森鴎外が明治17年から4年間、軍医としてドイツに留学した体験をもとに書かれた小説「舞姫」の冒頭に出てくる港が、
先日訪れたブリンディジ市の港です。昔はこの港から東洋へ多くの人が旅したとのこと。写真を見ながら交流会を思い出しています。
嗚呼、ブリンヂイシイの港を出いでゝより、早や二十日はつかあまりを経ぬ。世の常ならば生面の客にさへ交まじはりを結びて、
旅の憂さを慰めあふが航海の習ならひなるに、微恙にことよせて房へやの裡うちにのみ籠こもりて、
同行の人々にも物言ふことの少きは、人知らぬ恨に頭かしらのみ悩ましたればなり。(小説「舞姫」より引用)